EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
『ルカ、おいで』
オーレリアンを撫でながら、マリアンヌが傍まで来ていたルカを呼ぶ。
幽霊の類いは大嫌いなルカだが、懐かしい母親そのものなのであまり怖がらずに近寄ることができた。
『貴方も成長したわね。カッコ良くなっちゃって、ルカのくせにもう!』
「ルカのくせにってなんだよ!一言余計だってば」
照れつつプリプリ怒る次男に、マリアンヌは微笑んだ。
『褒めてるのよ!彼女できた?』
「教えなーい」
『……これはダメね。いたら尻尾振って“聞いて聞いて母さん!”て飛び付いてくるはずだもの』
「俺は犬かよ!?」
『ふふ、愛してるわ。オーレリアンをよろしくね。お兄ちゃん』
「ん…わかった」
ルカとの会話が終わると次はもちろん長男に目を向ける。
マリアンヌは未だソファーに座っているフェオドールを手招いた。
『フェオドール~。貴方もいらっしゃーい』
「俺は……別に」
『もう!せっかく会えたのに何を恥ずかしがってるのかしらねこの子は』
来てくれないので強行手段。
マリアンヌはふわりとフェオドールの前に移動した。
「……母様」
母親を見上げ、ポツリと呟く。
『貴方もすっかり大人ね。恋人いる?』