EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
『カロン!どうして逃げるの!?』
「げ、もう来た」
甲高い声が響き、壁を通り抜けてシャルロットが現れた。
さて、どうやって守ってやろう。
フェオドールがシャルロットをジッと見つめて考えているとマリアンヌが先に動いた。
『まあまあ、シャルロット。久しぶりに会って嬉しいのはわかるけど、落ち着いて。ね?』
『なによ!うるさい!!あんたに関係ないでしょ!くそババァ!』
噛み付きそうな勢いでシャルロットはマリアンヌに暴言を吐く。
誰もが彼女の声に顔をしかめた時だった。
『やかましい!!』
ズバッと一刀両断するような凛とした声がシャルロットを黙らせた。
『下品な発言は慎みなさい。聞くに堪えません』
丁寧な言葉遣いで、しかしハッキリと意見する彼女に白魔は目を見開く。
「母、上……」
彼女は白魔の母親、小百合だった。
母上と呼ばれ、小百合が息子をチラリと見る。
『………白魔』
「母上…!貴女まで…ここに」
『呼ばれたので……』
気まずいのか、小百合はフイと視線をそらした。
(白魔さんのお母さんまで来るなんて……全員そろっちゃった…!)
それぞれの母親を視界に入れ、不思議な気分。
小鳥がドキドキしているとダンクラートが口を開いた。
「ご婦人方、ようこそおいで下さいました。どうぞお掛け下さい」