EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
「可愛いならボクもでしょ!」
『あらヴォルフちゃん?久しぶりね~』
ルカの隣にいたヴォルフにマリアンヌが微笑む。
どうやら初対面ではないらしい。
「ねえ、ボクがルカくんと結婚する!いいでしょ?」
『ん~、そうねー。ヴォルフちゃんが女の子なら文句なしなんだけどねぇ…』
マリアンヌが苦笑していると、小百合の独り言ともとれる声がした。
『…白魔はデキル男なのですか?』
不思議そうに呟く彼女にマリアンヌが頷く。
『そうですよ。だよね?小鳥ちゃん』
「えっ!あ、はい!」
いきなり振られて慌てる小鳥。
なんだか嘘臭い返事になってしまった。
『そうですか…』
白魔をチラチラ見つめて思案顔。
それから小百合は白魔から小鳥へと視線を移した。
『小鳥さん、少し二人きりで話したいのですが』
「え…わ、私ですか?」
『よろしいですか?』
「は、はい」
自分の息子ではなく小鳥を選んだ小百合が何を考えているのかよくわからない。
今まで黙って様子を見ていた白魔が口を開いた。
「母上、僕も一緒にお話を聞きます」