EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
しかし――。
『いけません、白魔。貴方は待っていなさい』
ハッキリ告げてから小鳥に目配せする。
小鳥は立ち上がった。
「小鳥…!」
「大丈夫です、白魔さん。ちょっと行ってきますね」
安心させる笑顔を送ってから小百合と共に廊下へ。
居間の扉を閉めて完全に二人きりになると小百合が小さく深呼吸した。
(話って…なんだろう…)
白魔には大丈夫と言っておきながら内心は緊張でヒヤヒヤの小鳥。
小百合が切り出すまで待っていると…。
『貴女は、白魔と結婚したそうですね』
「は、はいっ」
声が裏返ってしまった。
心の中で自分に落ち着けと言い聞かせ、次の言葉を待つ。
『あの子は…貴女を愛してくれますか?』
「はい」
小鳥はドキドキしつつ、しっかり答えた。
『貴女もあの子を……愛していますか…?』
どこか不安げな響き。
小百合の表情は悲しげだった。
「はい…。私は白魔さんが好きです」
なぜだかとても大切な質問に思えて、小鳥はちゃんと想いを伝えた。
『そうですか……』
目を閉じて、また思案顔。
次に小鳥を見つめた時、やっと小百合は微笑んだ。