EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
「はいっ…」
小鳥は恐る恐る手を伸ばし白魔用のアンクレットを受け取った。
(私も、白魔さんのこと…独り占めしたい)
他人の心を縛って独占したいだなんて、相手に対して失礼であり許されないのではないかと小鳥の理性は訴えるが、本音は違う。
愛されて嬉しい。
その分、愛情を返したい。
独占されることは至福。
その分、自分も相手を縛りたい。
たった一人でいい。
多くは望まない。
彼だけが自分を求めて、自分も彼だけを望んで――。
互いが互いを窮屈な檻に閉じ込めて、目に見えない枷に繋がれる喜びを知る。
(私と白魔さんは、命でも繋がってる)
あの日の誓いを思い出しながら、小鳥は彼の左足にアンクレットを回した。
(大丈夫。白魔さんなら、ずっと私の傍にいてくれる…)
白魔の足首を飾るラベンダーの淡い色。
それは小鳥を安心させるように優しい。
「ありがとう」
つけ終わった小鳥に白魔が口づけた。
そして彼女を抱きしめる。
「愛してる…」
陳腐な言葉しか見つからない程、今の白魔にとって言葉は無意味だった。
頬を染め、満たされた表情で小鳥に微笑む。
それから――。