EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
14
†††
「行くよ、カロンおじさん!」
「おー。いつでも来やがれ」
「えい!!」
「おわっと」
もうすぐ九歳になる甥っ子、皇(こう)と居間でじゃれるカロン。
格闘ごっこが始まる横では静理が皇の弟、藤真(とうま)に歴史を教えている。
「君も皇と一緒に遊んでいいんだよ?」
「嫌ですよ静理おじさん。勉強の方が面白いもん」
「そうかい。君も変わってるね」
この光景を眺めてオーレリアンが溜息。
「ハァ…あいつら、僕らにガキ任せてどこ行ったわけ?」
「怒るなってオーレリアン。たまには子守りも良いじゃん」
「ルカおじちゃん、あそんで~」
四歳の女の子、理沙(りさ)がとことこルカのもとにやって来た。
「おじちゃんじゃなくてお兄ちゃんな~」
訂正しつつ自分の膝にヨイショと乗せてやる。
と、それを見ていた双子の妹、春歌(はるか)が抱っこをせがんだ。
「だっこ!だっこ!」
「……おいで」
優しく抱き上げたのはフェオドール。
「というか小鳥ちゃん、出掛けて平気なのかな?妊娠中だよね?」
静理が顔を上げて誰にともなく尋ねた。
「ったく、何人産むつもりだよ」
オーレリアンの愚痴に全員が苦笑したのは言うまでもない。