EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
その頃、街の広場にて小鳥は白魔と二人でベンチに腰掛けていた。
「たまには二人きりで散歩もいいね」
「あの子達、皆さんに迷惑かけてないでしょうか?」
「ハハッ、心配ないでしょ」
五人目の子供が宿っている小鳥のお腹を白魔が優しく撫でる。
「また元気な子が生まれてくるといいね」
「そうですね」
柔らかく微笑んで頷く小鳥は、愛情深い母親の顔をしていた。
その綺麗な横顔を眩しげに見つめて白魔も穏やかな気持ちなる。
「最近、思うんだ」
白魔がおもむろに口を開いた。
「父親になって子供を持って…いつか自分が死ぬってハッキリしてることが、凄く幸せなことだって」
自身の胸に手を当て、彼は鼓動を確かめる。
――トクン、トクン
「自分の命に限りがあるから……ますます愛おしくなる」
小鳥に命を預け、知ったこと。
それは今の白魔の心を満たす。
「この時間と君を大切にしたいって心から思うよ」
「私もです…。私も…」
照れつつ小鳥は白魔の肩にもたれた。
「フフ、おかしいよね。今は愛してるからこそ君を殺せないなんて」