EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
3
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白魔の奥さんになったからといって、小鳥の日常が劇的に変化するわけでもなかった。
相変わらず、この広い屋敷に他の兄弟達と一緒に住み続けている。
「長男は僕だよ?出て行くなんて有り得ないよね。むしろ君達が気を遣って出て行きなよ」
と弟達の前で言ってのけたのはもちろん白魔だ。
偉そうな態度で屋敷の主人面をした長男だったが、そんな彼にも弟達に譲りたくなるものはある。
それは――。
「せっかくの休日に、なんで仕事の話なんか聞かなきゃいけないのさ。静理とフェオドールに任せるよ」
「白魔、君は長男だろう?我が儘を言わないでくれるかな。カロンが真似するから」
いつもの爽やかスマイルで兄に対する静理。
書斎に呼び出された白魔は小鳥との時間を邪魔されてかなりご立腹のようだ。
「明日、ドイツからお得意様が来るみたいなんだよ」
「それって、ライヒナーム家のダンクラート様?」
「そう。俺は仕事で出てしまうから、君にお相手してもらおうと思ってね」