EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
「というわけで、今日はこれからお客様が来るから僕はサロンにいるよ。小鳥は普通にしてて良いからね」
次の日、仕事モードに切り替えて小鳥の前に立った白魔。
「白魔さん…その衣装…」
彼は普段着とは掛け離れた豪奢な服を身にまとっていた。
ダークパープルの生地に金色の刺繍。
これから舞踏会にでも出掛けるのではないかと思わせるそれは、さながら昔のヨーロッパ貴族が着ていそうな代物だ。
「あれですね…モーツァルト!」
「……うん。イメージしやすいたとえだね。カツラはないけど」
「なんでそんな服を…?お客様が来るからですか?」
「そうだよ。かなり古臭い正装だけど、客人自身が古臭い時代の生き残りだからね。向こうも似たような服装で来るだろうから、これで丁度いいのさ」
カッコ良く微笑んでから白魔はサロンの中へと入ってしまった。
(似合ってたなぁ…。白魔さんて何着ても美人に見えるから不思議)
たぶん着物を着せても違和感なくカッコイイだろう。
後で写真を撮らせてはくれないだろうかと密かに思ってしまった小鳥だった。