EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
「あれ?ならどうして白魔さんも静理さんも知ってるんですか?」
「うちに詳しく書かれた本があったんだよ。今もどこかにあるんじゃないかな。多分、ジェラルドが厳重に管理してるだろうけれど」
共存主義ゆえ、悪用せずに持っていた貴重な書物。
「俺はそれを読んで知ったんだ。白魔はどうなんだろう…。最近は闇サイトから方法が流出したりしてるみたいだからね。オーレリアンはそっちから知ったみたいだし」
小鳥は恐る恐る静理を見上げた。
「……どうして白魔さんは…私に…」
困ったように静理は苦笑する。
「そればっかりは本人に聞かないとわからないね。特に鮮血の誓いは謎の儀式だから」
「謎…?人間を服従させるための儀式なんじゃ…」
「うん……人間を服従させる方法の一つとして確かに存在したようなんだけれど、詳細が不明なんだ。俺が読んだ本も鮮血の誓いのページだけは丸々白紙だった」
――お互いの血を飲んで愛を確かなものにする儀式のことさ
白魔はそう言っていた。
彼を信じたいが、しかし――。
「静理さん…教えてくれて、ありがとうございました」
傷ついた心とは裏腹な笑顔を作って小鳥は図書室を後にした。