EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】


 白魔に対して悲しみや怒りの感情が渦巻く。

拳をギュッと握り締めて小鳥が廊下を歩いていると…。


「小鳥…」


小鳥の部屋の前でうろうろしている白魔を発見した。

「白魔さん…?」

不意打ちを食らったように見開かれる小鳥の目。

しかしそれはすぐに細められた。

鋭い目つきで彼を見る。

視線を床に下げていた白魔には、そんな小鳥の表情の変化はわからなかった。

反省の色を見せて彼は言う。

「さっきは…その………ごめん。僕が悪かったよ。あんなの…八つ当たりだよね」

「………」

黙ったまま何も返してくれない小鳥に白魔は焦った。

怒っているのだろうと思い、恐る恐る彼女の顔をうかがう。

「白魔さん……白魔さんは、私を服従させてないと不安なんですか?」

「え?」

「私、言いましたよね?逃げる気なんて、ないって…」

感情を抑え切れずに小鳥は吐き出した。

「私は、あんな誓いをしなくてもっ、白魔さんの傍にいるのに…!私の言葉なんて、少しも信じてくれなかったってことですか…!?」

今にも大粒の涙をこぼしそうになりながら怒りをぶつける。

彼女の言葉と表情は白魔を戸惑わせるには充分過ぎた。


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