EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
「落ち着いて小鳥。何を言ってるの?鮮血の誓いのこと?確かに僕が怒鳴ったりすると君の身体は反応するみたいだけど、あれは僕の本意じゃ…」
「やっぱり、知ってたんですね…」
失望の色を宿し、小鳥の瞳が暗く染まる。
「知ってて、教えてくれなかったんですね!?」
とうとう涙は溢れた。
「もう白魔さんなんて、信じられません!」
白魔に背を向けて廊下を駆け出す。
「ま、待って!小鳥っ!」
「来ないで!!!」
追いかけてきた白魔はビクリと身体を震わせて足を止めた。
その表情はまるで捨てないでと親に縋る怯えた子供だ。
しかし小鳥は気づかなかった。
白魔を振り返ることなく告げる。
「来ないで…下さい…」
伸ばされた手を振り払うように、小鳥は求めてくれた彼の心を容赦なく断ち切った。