EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
冗談であるはずがない。
白魔は鋭い眼差しで小鳥を見返した。
「小鳥は、僕の本気を冗談だと言うの?」
「ち、違っ…!そんなつもりじゃ…」
途中で言葉を切り、ゴクリと唾を呑む。
小鳥は落ち着いてから尋ねた。
「白魔さんは、それで良いんですか?私が死んだら…死んじゃうんですよ?」
「別に構わないよ。むしろ一緒に死ねるなんて最高の幸せさ」
蕩けるような笑みを浮かべる白魔に対し、小鳥は更に問う。
「怖くないんですか…?」
すると白魔は少し表情に陰りを見せた。
「僕にとって、死は恐怖じゃないよ。死よりも怖いものを知っているから」
それは何か、と小鳥が問えば彼は笑みを消した。
「孤独さ」
白魔の口から淡々と紡がれる恐怖。
「孤独が、一番怖い。君に置いていかれて、独り……この世に残ることが何よりの恐怖だ」
スッと伸ばされた白魔の指が、優しく小鳥の頬を撫でた。
「死にゆく方もツライだろうけど…残される方がよっぽど……ツライんだよ」