EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
「は?我が家って…ドイツに?」
「もち!」
親指をグッと立てて見せる彼に白魔は呆れた。
「行くわけないでしょ。遠すぎ。ご近所に遊びに行くようなノリで言わないでよ」
即却下してこの話を終わらそうとした白魔だったが。
「ドイツ……」
反応した小鳥に気づき目を丸くする。
「小鳥……もしかして行きたいの?」
「えっ!?あのっ、その…」
頬を染めてもじもじしている様子からして行きたそうだ。
小鳥は躊躇いがちに口を開いた。
「海外に行ったことないから……行ってみたいなって…思って…しまって…」
控えめに行きたいと主張する最愛を見下ろし、白魔は少し思案した。
そして…。
「………僕のプリマドンナが望むなら、叶えてあげるよ」
「っ!?良いんですか!?」
「良く考えたら新婚旅行がまだだったからね。ドイツでハネムーンっていうのも悪くないさ」
にこやかに微笑む白魔はすでに乗り気のようだ。
「ランベルト、もちろん君が連れてってくれるんでしょ?」
「あたぼうよ!プライベートジェットでいつでも出発進行さ!」
「あ…もしかしてパスポート必要ですか…?」
持っていない小鳥は心配になったが、ランベルトは軽くこのセリフ。
「そんなもの必要ナッシング!セレブなワタシの権力でちょちょいのちょいとしてあげよう」
ちょっと意味がわからないが、任せろと言われたことは理解できる。
こうして小鳥の初海外旅行が決定した。