EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
「天井、高いですね。飛行機の中って息苦しそうなイメージがあったんですけど…全然違う…!」
機内の座席へ案内された小鳥は素直な感想を述べた。
「だろう?寛いでくれたまえ」
ニコニコしながらランベルトが小鳥の向かいに腰掛ける。
白魔はもちろん小鳥の隣だ。
「僕のプリマドンナ、大丈夫?初めてなんでしょ?怖くない?」
ワクワクしていてすっかり忘れていた小鳥だったが、改めて聞かれるとちょっぴり怖い。
「…少しだけ」
空を飛ぶのはどんな感覚なのだろうと想像していると、白魔がキュッと手を握ってくれた。
「なら、僕とキスしてよう?離陸の恐怖なんてわからなくなるくらい、甘いキスをさ」
「えっ、あ…!」
いきなり迫って来られて慌てる。
するとタイミングよくランベルトがこう言った。
「えー、当機はこれより離陸を開始しまーす。安全のためキスなどのいちゃつく行為はおやめ下さーい」
次の瞬間、宣言通り機体が動き出す。
それは丁度、午前一時ピッタリだった。