EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
「僕の身体を洗いたいの?洗ってくれるの?君が?嬉しいな!いいよ。洗わせてあげる。おいで」
疲れも吹っ飛んだ様子ではしゃぎ出しそうな彼を前に「嫌です」なんて言えない小鳥は、自分の口を恨みながらバスルームへ入った。
「じゃあ、まずは…脱がせて」
スッと右手を差し出す白魔。
彼の手には黒の手袋がはめられたままだ。
「て、手袋…を…?」
「まずはね」
まずは、が何を意味するか具体的に考えたら羞恥で耳まで真っ赤になりそうだ。
小鳥は手袋だけに意識を集中させた。
白魔の右手を両手で包み込み、そっと手袋に指を掛ける。
そのままスルスルと手前に引いていけば、彼の白い肌がゆっくりと露わになった。
(なんだか、とっても緊張する…!)
ただ手袋を外しただけなのに、なぜかとても――。
「扇情的だね」
「せんじょう…?」
「エロチックってこと」
「エッ…!?」
赤くなりながら白魔を見上げると、彼は妖艶に微笑した。
「いいね…。イケナイことが始まる前触れみたいだ」
小鳥が持つ手袋を受け取って脱衣用のカゴにポイと入れる。
「次はこっち」
今度は左手を差し出した。