EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】
運命のセンタク
†††
「私は……ルカくんがいいです」
「っ……お、俺?」
選ばれるとは思っていなかったのか、ルカがキョトンとしながら自分に指をさす。
「はい。ルカくん、お願いします」
「あ、え……ホントのホントに、俺でいいの?」
キョロキョロと他の兄弟達を見回してから再び小鳥を見ると、彼女はゆっくり頷いていた。
夢じゃない。
(俺が、選ばれた……!?)
ボンと音が聞こえそうな程一瞬にしてルカの顔が真っ赤になる。
ルカは自分の顔を手で隠すと、その場で小さくなって丸まった。
「いや、うん。スッゲー嬉しいので……今ちょっとこっち見ないで」
そのまま沈黙してしまったルカを見て、フェオドールがそっとフォローする。
「……照れただけだ。すぐ復活する」
「僕のプリマドンナ、ルカで大丈夫なの?逆に迷惑するんじゃない?」
「メスブタが自分で選んだなら自業自得だろ。というか、バカ同士お似合いだと思うけど」
「おーい、顔面総崩れ」
「カロンぅるっさい!!変な風に呼ぶな!」
まだ照れた体勢のまま、声だけ威勢がいい。
そんな息子を面白そうに眺めつつ、ジェラルドはうんうんと頷いた。
「ルカなら安心できるかな。小鳥ちゃん、ルカのことを頼んだよ」
「はい」
「父さん!?違くない!?俺に小鳥を頼むんでしょ!?小鳥も、返事しなくていいから……!」
「あ、すみません。勢いで、つい」
ガバッと顔を上げたルカは頬を染めて瞳を潤ませていた。
少しだけ女の子みたいに可愛いと小鳥が思ってしまったのは絶対に秘密だ。
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