EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】

可愛い女の子達と話しているルカを見て、小鳥はあの時の言葉を思い出した。


ーーに……人間の、女の子!


どんな女の子が好きか訊いた時、ルカはそう言った。


(地上には可愛くてオシャレで、ルカくんが好きになりそうな人間の女の子がいっぱいいる。そういう女の子達を知ってしまえば、私のことなんか……きっと……)


もう、可愛いとは言ってくれないかもしれない。

自分で嫌な方向に考えて、胸がキュッと苦しくなる。

小鳥がルカから視線をそらそうとした瞬間、ルカ本人とバッチリ目が合った。

「小鳥!!」

小鳥を見つけて、ルカが笑顔になる。

そしてそのまま、嬉しそうに駆け寄ってくる。

小鳥のもとへ。


(ルカ、くん……!)


自分のことだけを真っ直ぐ見つめて、こちらに近づいて来るルカ。

そんな彼にドキドキし、小鳥はルカを見つめたまま動くことができなかった。

「良かったぁ……!気づいたら小鳥がいなくて、めっちゃ焦った!」

「わ、私も、その……」

「えー、嘘ぉ、彼女いんじゃん」

「やっぱイケメンにはいるよねぇ〜」

先程までルカと話していた女の子達の高い声が聞こえる。

彼女達がこちらに近づいて来る様子はないが、小鳥はハッとして周囲を見回した。

すると、あっちからもこっちからも、ルカに対して女性の視線が。

< 102 / 210 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop