EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】
ルカは持っていた紙コップをベンチに置くと、小鳥の口の端についたケチャップを自分の指先で取った。
そして、その赤いケチャップがついた自分の指を口に含んで舐める。
「……え、ぁ……」
物凄く自然な動作でやられ、小鳥はビックリして声を失った。
(な、舐めた……!?ルカくんっ、私についてた、ケチャップをっ……な、舐めっ……!)
まさかの行動をされ、大混乱である。
小鳥は真っ赤になりながらルカから視線をそらした。
しかし気になることがある。
「ル、ルカくん……こういうことするの、慣れてるんですか……?」
「えっ?」
「なんだか、すごく……その……」
普段から女の子にしているのではと疑うレベルで自然だった。
小鳥の言いたいことが伝わったのか、今度はルカが頬を赤らめて否定する。
「慣れてない!全然慣れてないから!こんなことしたの、小鳥が初めてだしっ……た、たぶん、ほら、あれだよ!百パーセント父さんの血のせい!そう、血筋!」
全ての責任を父親にぶん投げた。
こういう時くらい役に立ってもらおう。