EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】
(そ、そうだよね。恋人でもないのに、ハートのペアとか、なしだよね)
一応フィアンセということになっているが、小鳥が一方的に選んだそれには小鳥自身が納得していなかった。
(ルカくんに好きな人ができたら、こういう関係も……きっと、終わりだよね)
今はまだ、自分から好きだと告白する勇気もない。
勝手にションボリしていると、ルカが別のキーホルダーを見せてきた。
「ねえ、これとかは?」
オレンジ色とピンク色のパズルピース。
パズルなので、磁石がなくても互いがピッタリ合わさる形になっている。
「小鳥が好きそうな色、でしょ?」
明るいオレンジ色を見て、小鳥はルカみたいだと思った。
彼を色で表すなら、きっとこれだ。
「はい!大好きです」
笑顔で答えれば、ルカが顔を背けて長い溜息を吐き出す。
(それはキーホルダーじゃなくて、俺に言って欲しいセリフ!!)
と、内心力強く叫んだルカだった。
また頬が熱くなる。
「じゃ、じゃあ、決まり!レジ行こう!」
照れ隠しのつもりでルカがスタスタと歩き出す。
「待って下さい、ルカくん!レジはあっちです!」
一人で逆方向に行ってしまうルカを、小鳥は慌てて追いかけた。