EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】
「笑ってんじゃねーよ。不愉快」
ルカが、動いた。
小鳥のことを引き寄せて、彼女の顎を上向かせ、そのまま見せつけるようにキスをする。
小鳥の唇に、ルカの唇が重なった。
「っ……!?」
ルカと触れ合った唇の感触に驚き、一瞬で終わらないキスに慌て、ようやく唇を離してくれたルカにギュッと抱き締められて言葉を失うくらいドキドキする。
「小鳥は俺の彼女だから。デートの邪魔すんな」
三人にそう言い放つと、ルカは抱き締める腕を解き、小鳥の背中を優しく押して歩くよう促した。
彼はそっと囁く。
「行こう、小鳥」
小鳥は顔を真っ赤にしながら頷いた。
キスを見せつけられて呆気に取られている彼女達を置いて、さっさとビルの外へ出る。
すると、ルカは小鳥の左手をギュッと握って、手を繋いだまま駅とは反対の方向に歩き出した。
「ルカ、くん……?」
どこに行くのだろう。
小鳥がか細い声で呼ぶと、ルカは前方を見つめたまま、こう言った。
「俺さ、行きたい場所があるって、言ったじゃん?」
それは、地上に向かうエレベーターの中での会話。
ーー後もう一つ行きたい場所があるんだけど……そこは最後でいいから、まだ内緒