EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】
思い出した小鳥は、小さく頷いた。
「はい……」
「今からそこに行ってもいい?」
「いいですけど……場所は、どこですか?」
「俺達が初めて出会った、思い出の場所」
ルカの言葉に、小鳥は懐かしい光景を思い出す。
どんよりとした灰色の空。
真っ白な地面。
辺り一面の、雪景色。
そこに立つ、金髪の少年。
――俺はルカ!君の名前は?
雪の降る公園で、初めて出会った。
「……公、園?」
「そう。さっき飯食った場所とは違う公園」
答えながら、ルカはやっと小鳥の方に顔を向ける。
「俺だと道、わかんないからさ……案内してくれる?」
照れ臭げに微笑むルカ。
小鳥に拒む理由はなかった。
突然のキスや、彼女だと宣言されたことに対して、何も訊くことができないまま、無言で道案内に徹する小鳥。
しばらく歩いて、やっと思い出の公園に到着した時、ルカは小鳥の手をそっと離した。
彼は懐かしさを噛みしめるように、ゆっくりと人がいない公園の中を歩く。
小鳥がそれについていくと、ルカは唐突にピタリと止まった。