EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】
「ここで一緒に雪だるま作ったんだよな。その後、雪をぶつけ合ってさ。楽しかったな」
「はい……楽しかったです」
いつも一人で遊んでいたから、走り回りながら雪をぶつけ合うなんてこと、初めてやった。
小鳥が思い出して頬を緩めていると、ルカが真剣な表情でこちらを向いた。
「俺がさ、あの時なんで小鳥に声掛けたか、わかる?」
他にも、遊んでいる子供はいた。
ルカと同じくらいの男の子達も。
けれど、ルカは小鳥を目にして小鳥に近寄った。
その理由は、単純だ。
「……小鳥が、一人だったから」
ハッと目を見開く小鳥を、青い瞳が真っ直ぐ見つめ返す。
「この子なら、俺のことだけ見てくれるかもって、思った」
ルカは一歩、小鳥に近づき、静かに胸の内を曝け出した。
「憧れの地上に来てさ、誰かに、俺のことを覚えておいて欲しくて……深く刻みつけたかったんだ。だから、一人でいた君なら、独占できる。あの時間だけは、君を俺のものにできると思った」
語りながら、ルカが悲しげに目を細める。
「でも結局、俺は最悪なことをして、その代償に君の記憶を消した……。俺、言ったよね?本当は君の記憶、消したくなかったって」
自分のことを、忘れてほしくなかった。
そう言っていたルカを思い出し、小鳥は小さく頷く。