EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】

「あの時、痛いほど思い知ったよ。自分だけしか覚えてない思い出なんて、俺にとっては悲しくて虚しいだけだって。俺は、君のことを思い出す度に苦しかった。それ以上に……悔しかった。俺はこんなに君に囚われてるのに、君は何もかも忘れて、可愛い笑顔を俺じゃない他の誰かに見せてるんだろうから」

抱き締められる距離まで近づいてきたルカが、小鳥の両肩に手を掛け、そっと囁く。

「好きだよ。あの雪の日から、ずっと君に恋してる」

やっと伝えられた言葉はどこか頼りなくて、ルカはすかさず言い募った。

「ごめんね。あの時、俺が君を選んでいなければ……君はお父さんを失わずに済んだし、今も地上で暮らしていたかもしれない。でも、きっと何度過去に戻っても、俺は小鳥を選ぶよ。だから……」

ルカの突然の告白に驚いて目を丸くしていた小鳥が、頬を染めながら落ち着かない様子で視線を下げる。

そんな男心をくすぐる表情を見てしまったルカは、言葉を途中で切った。


(あ……キスしたい)


大事な告白の途中でルカの煩悩が発動する。

しかし、先程も許可なくキスをしたばかりだと思い出してグッと堪えた。


(さっきも勢いでしちゃったし、ここは、我慢!)


我慢だ俺、と言い聞かせ、今更ながらに赤面しつつ、ルカは小鳥の肩を掴んで逃げられないようにしたまま、一番知りたいことを恐る恐る尋ねてみた。

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