EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】
「あ、そうだ。さっき買ったこれ」
ルカがゴソゴソとショルダーバッグの中からキーホルダーを取り出す。
明るいオレンジ色と、優しいピンク色のパズルピース。
ルカはピッタリ合わさっているそれを外し、ピンク色の方を小鳥に差し出した。
受け取ろうとして、小鳥はふと思う。
(オレンジ色が、いいな……)
たった今、遠慮するなと言われたばかり。
小鳥は思い切って言ってみた。
「あの、私がオレンジ色じゃ、ダメで……ダメかな?」
「え?小鳥がオレンジ?」
「その色、ルカくんのイメージだから、持っていたいの」
「俺の、イメージ……?」
意外だったのか、ポカンとした後、ルカは耳まで真っ赤になってそっぽを向いた。
「これ、狙ってないよな?天然?天然で天使?最強かよ、俺に勝ち目ないじゃん」
ごにょごにょと、何やら独り言。
よく聞き取れなくて、小鳥は首を傾げる。
「る、ルカくん……?」
「あ、いや、何でもない。うん、いいよ。小鳥がオレンジで、俺がピンクだね」
はい、どうぞと渡されたオレンジ色のパズルピースを手にして、小鳥が嬉しそうに微笑む。
それを目にしたルカは「俺の彼女が可愛すぎてツライ」と、深い溜息を吐き出した。