EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】
突然の贈り物にビックリしつつも、小鳥はそれらを笑顔で受け取った。
薔薇は軽いが、ガラスの花瓶は大きくてドッシリとしていて重たい。
(この花瓶……このお花を生けるための、だよね?)
一輪だけ飾るにしては、花瓶の大きさがミスマッチな気がする。
首を傾げる小鳥に、ルカは全く関係ない説明をした。
「あ、その薔薇は造花だから。水はいらないよ」
「わかりました」
「本当は本物の薔薇をあげたいんだけど、地下世界って花とか育てるの難しくてさ。基本的に造花しか売ってないんだよね。フェオはちゃんと育ててるけど、フェオのを小鳥にあげるのは……なんか嫌だし」
「造花でも、私は嬉しいです。お世話しなくて済むのは正直、楽なので」
「そっか。なら良かった。それはそうと小鳥、また敬語になってる」
「あっ……!無意識で……!」
「フフッ、頑張って小鳥。好きだよ」
チュッと頬にキスをされ、抱き締められる。
ストレートに好きだと言われ、小鳥は真っ赤になって花瓶を落としそうになった。