EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】
『ムムッ。酷いコト、ダメ……。なら、チョビッと、目からビーム』
ビビビビビッ、と。
先程よりも小さく、可愛い音でビームが発射される。
わざと避けずに「チョビッと」の威力を体で確認した白魔は顔をしかめた。
「これで、ちょっと?バチバチくるんだけど」
「とか言いつつ余裕そうじゃね?あんた」
「まあ、この程度ならね」
カロンに言葉を返し、白魔がルカへ嫌味の一つでも言ってやろうと口を開きかけた、その時。
ーーピーンポーン
唐突にチャイムが鳴り響いた。
どうやら客が来たらしい。
「ん?今日って誰か来る予定あった?」
「……いや、特には」
呑気にそんな会話をしているルカとフェオドール。
誰も応対する気がないことを悟り、ムチをテーブルの上に置いた静理が渋々インターホンに出る。
「どちら様ですか?……っ、君は……!どうして、ここに……?いや、待っていてくれるかな。今迎えに行くよ」
驚いた様子の静理に、全員が首を傾げた。
いったい誰なのか問う前に、インターホンから離れた静理がルカの方を向く。
「……ルカ。君にお客だよ」
「え?俺?」
「ヴォルフ・ライヒナームが来た」
この知らせに、ルカは顔を青くさせて「マジかよ」と小さく呟いた。