EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】

「だから、トラウマってほどじゃないから」

「でも苦手だろ?」

「と、友達として、なら……苦手じゃないし」

歯切れが悪いルカを、小鳥が心配そうに見つめる。

小鳥の真似をしているのか、ペギーもジッとルカを見上げる。

一人と一体に見つめられ、ルカはしどろもどろに言葉を紡いだ。

「ヴォルフは俺の幼馴染み、みたいなもんで……。悪い奴じゃないんだけど……ただ、ちょっと性格と思考と見た目がぶっ飛んでるというか……」

その時だった。

急に勢い良く居間のドアが開かれたかと思うと、やけに明るい声が飛んできた。

「ヤッホー!ルカくーん!!会いたかったぁー!!」

静理が連れてきたお客様、ヴォルフが笑顔で駆け寄ってくる。

ヴォルフはお目当てのルカを見つけると、突撃するように抱きついた。

「ぐぁっ……!離れ、ろっ、ヴォルフッ!」


(この子が、ヴォルフさん……?あれ?でも、ヴォルフさんて、男の子なんじゃ……?)


ルカにぎゅうぎゅう抱きつくヴォルフを間近で目にし、小鳥は首を傾げる。


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