EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】
ヴォルフだと思われるその子は、リボンとフリルが素敵な黒いワンピースを着ていた。
緩くウェーブした茶色の髪は長く、お人形さんのように整った可愛らしい顔にはメイクもしている。
どこからどう見ても、女の子だ。
(ヴォルフって、男の子の名前……だよね?あれ?もしかして、女の子の名前だった?私の勘違い!?)
混乱している小鳥がグルグル考えていると、その横でルカがヴォルフを引っ剥がした。
「いい加減、離れろって!ベタベタ触るなっ!」
「え〜、良いじゃんか、このくらい。それとも、久しぶりで恥ずかしいの?ルカくんカワイイー!」
男の子にしては高めの声が響く。
色々と中性的過ぎて、小鳥には判断がつかない。
「うっさい!お前はあっち座れ!フェオの隣!」
「えぇ〜」
「じゃなきゃもう口きかない」
「わかったよ。座るー」
正面にいるフェオドールの方へトコトコと向かい、ヴォルフは素直に空いてる席へと座った。
「これでイイ?」
ニコニコ笑顔でルカに確認する。
その笑顔の可愛さを見て、目の前の子が美少女でなければ詐欺だと小鳥は思った。