EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】
「ルカくん……?」
小鳥が呼び掛けるも、ルカは反応せずにゆっくりとヴォルフへ近寄る。
この場から逃げることなく、一瞬も目をそらさずに、ルカと小鳥の絡みを見つめていたヴォルフは、ハッと我に返った。
だが、時既に遅し。
「死ねよ」
一言、聞こえたと思ったら、ヴォルフの顔面に拳が叩き込まれた。
「っ……!!」
強烈なパンチを食らい、痛みに悲鳴も出ない。
グラリと崩れたヴォルフの体に、ルカはすかさず蹴りをお見舞いした。
「ガッ……ァ!!」
床に転がったヴォルフ。
しかし、ルカはそれで終わりになどしない。
何度も蹴りつけ、踏みつけ、ヴォルフの髪を掴んでは無言で顔を殴り続ける。
(っ……ルカ、くん……!?)
目の前で繰り返される暴力に、小鳥は怯えた。
今、そこにいるのは、本当に自分の知るルカなのだろうか。
小鳥の瞳に映る彼は、悪鬼か悪魔か、凶悪な殺人鬼にしか見えない。
『暴力反対!ダメ絶対!』
一方的なその行為に反応したのか、それまで傍観していたペギーがルカに向かって突撃する。
しかしーー。