EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】

「邪魔すんな、寝てろ」

呆気なくルカに蹴り飛ばされて壁に激突し、ペギーはピーッと機械音を鳴らして部屋の隅に転がった。

ペギーでも止められない。

蹴り飛ばすことを躊躇わなかったルカに、小鳥は恐怖する。

柩の中で無意識に息を殺した。

「小鳥は俺のだって、教えただろっ。噛みついてんじゃねーよ、ふざけんな。牙全部折ってやるよ」

殴りながら、淡々と怒りの言葉を吐き出すルカ。

ヴォルフの綺麗な顔はボコボコにされ、目を背けたくなる状態だ。

それなのに、殴られた本人はショックを受けるどころか、愉快げに笑う。

「っ、ハハハッ!今のルカくん、ヒーローじゃなくて悪役だね。闇堕ちするヒーローとか、最高にゾクゾクするよ!」

「は?もとから俺はヒーローなんて柄じゃないから。てかさ、お前、なんで小鳥を狙ったんだよ。俺に構って欲しいんだろ?なら俺のとこに来いよ」

「それはダメだよ。ルカくんを傷つけるには、ルカくんの大事なモノを壊すのが、一番なんだから」

「性格クソだな。お前、ホントは俺のことメッチャ嫌いだろ?」

否定するのかと思いきや、ヴォルフは歪んだ笑みを浮かべて頷いた。

「うん。ボクはルカくんが好き。それは本当。だけど、ルカくんに近づいて好きになればなる程、嫌いになる。それも本当」

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