EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】
床に転がったまま、二人の会話を大人しく聞いていたヴォルフ。
彼は何を思ったのか、いきなり狂ったように笑い出した。
「ッ……フフ、アッハハハッ!」
ルカと小鳥の会話が止まった。
二人の視線がヴォルフに降り注ぐ。
注目され、彼は気恥ずかしげに腕で顔を覆った。
「ハハ……ハァー……ダッサイなぁ、ボク。女の子にまで守られるとか、本当……カッコワルイ」
「お前、今更カッコイイとこ見せたいとか思うの?」
「うるさいなぁ、ルカくんにボクの何がわかるの?」
「わかんねーよ、なんにも」
だよね、と返し、ヴォルフはポツリと呟いた。
「コトリは強いね。ボクとは、ぜんぜん違う……」
泣くほど怖かったくせに、暴力の間に飛び込んできた勇敢な女の子。
下手に割り込んだら、ペンギンロボットと同じように彼女も蹴られていたかもしれない。
自分に向かう暴力の可能性もちゃんと理解していたのか、ヴォルフに触れた彼女の手は震えていた。
勝てる気がしない。
ヴォルフは思った。
「キミなら、ルカくんの隣にいても、悪くない……かな」