EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】
「へー、イイ顔してるね。少しは男前になったんじゃない?」
「ありがとハクマ。ハクマもルカくんに頼んでしてもらったら?もーっとカッコヨクなるよ」
「ハハッ、首を切られてもお断りさ」
そんな飛び交う嫌味を聞きながら、静理がヴォルフに近づいた。
「派手にやられたね。食事はできる?」
「うん。牙がひとつ折れてるけど、なんとかするー」
「なぁ、あんたルカに何したの?」
カロンが尋ねると、ヴォルフはニコリと笑った。
「知りたい?ものすっごい怒られるコトだよぉ」
「ふーん……成る程」
ルカは喧嘩っ早いところもあるが、ちょっとのことでは友達をここまで殴りはしない。
(……あれか。小動物絡みか)
それなら納得がいく。
大方、小鳥にちょっかいを出してルカの逆鱗に触れたのだろう。
(てことは、ヴォルフの自業自得だな)
カロンはそう結論付けた。