EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】
自分自身が怖いから、大切な相手と距離を置く。
ルカはそうやって小鳥を遠ざけようとした。
嫌われたくない、傷つけたくない。
ルカの中で、そういう気持ちが強いのだろうけれど、小鳥は今の会話で彼の別の思いを聞いた気がした。
(……ルカくんが、助けてって、言ってるように思える)
どうしようもない、こんな自分を、助けて、と。
「大丈夫、だよ……ルカくん」
「え……?」
「ルカくんが止めて欲しいなら、何度だって私が止めるよ」
「っ、小鳥……」
「だから、ね……離れていかないで。私のこと、独りにしないで……お願い」
ルカに避けられて寂しかった。
ツラかった。
不安だった。
知ってしまったルカとの幸福な時間を、失いたくない。
そんな小鳥の切実な思いを、ルカは戸惑いつつも嬉しげな表情で受け止めた。
「うん……わかった。ありがと小鳥。俺も、小鳥と離れたくない。一緒にいたい」
お互いに本心を見せ合えば、後は簡単で。
ルカは小鳥に近づき、今まで我慢していた分、きつく長く小鳥を腕の中に閉じ込めた。