EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】
「ヤバイ!小鳥逃げて!今俺、スッゲー興奮してるから小鳥のこと襲う!」
逃げろと言われても、ここが逃げ場である小鳥の部屋だ。
キッチンにでも行けというのだろうか。
「私、ルカくんになら、吸われても大丈夫だよ。むしろ、私こそごめんね。ルカくんが我慢してるの、気づいてあげられなくて……」
「いや、小鳥は人間なんだから普通気づかな……って、な、何して……!?小鳥!?」
背中からギュッと抱きつかれ、ルカは焦った。
好きな子という名の獲物が、無防備過ぎて嬉しい反面、困ってしまう。
「小鳥っ、ホントに、やめて。マジでかなりヤバイから」
切羽詰まった様子で喋るルカに、小鳥は抱きついたまま無言を貫いた。
(いいよって、ちゃんと言ったのに……)
まだ我慢する気だろうか。
ルカは小鳥に甘過ぎる。
地下世界に来てから、小鳥は自分の意思に反して無理矢理吸血されるばかりだった。
しかし今、初めて自ら吸われたいと望んでいるのだ。
こんなこと、ルカにだけ。
「ルカくん……」
甘えるように名を呼べば、ルカが緊張した声音で問う。
「それは、襲って欲しいってこと……?」
小鳥の方に振り向いたルカは、ギラギラした捕食者の目をしていた。
すぐにでも、食らいつきたい。
そんな目をしながらも、ギリギリのところで耐えている。