EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】
(こういうルカくんだから……)
貪られても良い、と小鳥は思った。
ルカの瞳を真っ直ぐ見つめてから、首を縦に振る。
小さく頷いた直後、小鳥は噛みつくように唇を奪われた。
「っ、ん……!」
牙を立てられると思ったのに、なぜかキスをされ目を見開く小鳥。
そんな驚きも束の間。
「……少しだけ、噛むよ」
すぐに唇を離し、そっと囁きながら、ルカが小鳥の首筋に牙を寄せる。
チュッと肌に吸いつかれた瞬間、チクリーー。
針で刺されたような痛みに、小鳥はギュッと目をつぶった。
「ハァ……ん……こと、り……」
ほんの僅かにこぼれ出た血を、ルカが舌で舐めては時間をかけて味わう。
ルカの両腕は小鳥の体を絡め取り、小鳥が痛みに震えても、満足するまで逃さなかった。
「明日、出掛けるし……酷くしたくないから、このくらい。ね」
最後、小さな傷口にチュッと甘いキスをして、ルカが小鳥の首筋から顔を上げる。
同時に腕の力を緩めると、小鳥の体がグラリと揺れた。
「小鳥!?大丈夫?」
倒れそうになった小鳥をルカが慌てて支え直す。
「……ちょっと、くらくら、して」
「えっ!俺、吸い過ぎた!?」
「ちが…………ちがう、の……」
顔を真っ赤にして、小鳥は目の前のルカから視線をそらした。
ルカの声、吐息、腕の強さ、そして何より、痛みの後の優しいキスにーー。
(ドキドキし過ぎて、クラクラした)
そんなこと、恥ずかしくて絶対に秘密だ。