EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】
それから、自分で髪を梳かして支度を終えた小鳥は居間で待っているはずのルカのもとへ。
暇なので一緒にくっついてきたヴォルフとお喋りをしながら居間の扉を開ける。
「ヴォルフはお祭り行かないの?」
「行かない。こんな可愛くない顔のまま外なんて出歩けないよ!お化粧でごまかせないレベルだし!」
一番酷い状態を知っているため、だいぶ回復したなと思う小鳥だが、初めて見る人の目には今もかなり痛々しく映るだろう。
「……怪我、ちゃんと治るかな……?」
「うん。ダイジョーブだよ。ルカくんのオトウ様からよく効くお薬もらったんだぁ」
会話をしつつ居間に入ると、ソファーに金髪の男性が座っていた。
フェオドールかと思い、小鳥は声を掛ける。
「フェオさん、ルカくん来ませんでしたか?」
フェオドールしかいない室内を見回し、小鳥が尋ねると。
「…………小鳥、俺、フェオじゃなくて……」
「え?」
金髪男性が困ったように口を開く。
フェオドールかと思いきや、声が違う。
別人だ。
「え、えっ?…………もしかして、ルカくん……?」