EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】
13
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屋台から離れ、空いているテーブルへと近づく。
座るために小鳥が椅子を引こうとすると、先回りしたルカが小鳥の座る椅子をサッと引いてくれた。
そして小鳥へ、ニコリと微笑みかける。
「どうぞ、小鳥」
大人ルカの魅力的な笑顔をまともに見上げてしまった小鳥は、不意打ちを受けて頬を染めた。
「あ、ありがとう……」
照れながら、椅子に座る。
ルカは小鳥を座らせてから、自分も向かい側の席に腰をおろした。
そんなルカを小鳥はポヤンとした表情で観察する。
テーブルの下で長い足を組み、紙コップに入った血液をちびちびと飲んでいくルカ。
彼は小鳥の視線に気づくと、首を傾げた。
「食べないの?」
問われ、小鳥がハッとする。
完全にルカに見惚れていた。
「小鳥、平気?気分でも悪くなった?」
「ち、違うの!目の前にいるのが、いつものルカくんじゃないから……その、どうしよう、なんだか……緊張しちゃって」
「緊張する?そっか……。でも慣れてくれないと困るな。何年後かにはこの俺が当たり前になるわけだし」
ルカは持っていた紙コップをテーブルに置いて、意地悪げに微笑む。