EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】
「将来、こんなふうになる俺は嫌?」
「い、嫌じゃないよ……!」
嫌なわけがない。
むしろ、こんなカッコイイ人がずっと自分の隣りにいてくれるのだろうか。
後ろ向きな思考になり、小鳥はちょっぴり俯いた。
すると――。
「小鳥は、どんな大人になるのかな?」
「え、私……?」
自分のことを言われ、顔を上げる。
ルカはジッと小鳥を見つめていた。
「今の可愛さに、大人の色気がプラスされていくわけでしょ?」
そんなことを言いつつ妄想を膨らませるルカ。
何を脳内で考えたのか、彼は突然顔を真っ赤にさせた。
「っ……ヤバイ!これはヤバイ!屋敷の外に出せなくなる!というか俺の部屋に閉じ込める!」
「ルカくん……?」
いったい小鳥でどんな妄想を繰り広げたのか。
それはルカのみぞ知る。
その間、ちょっと落ち着いた小鳥は蒸しパンの包みを開けてパクリと一口食べてみた。
「あ、美味しい!氷河さんて本当に料理上手!」
この言葉を耳にして、ルカが妄想の世界から戻ってくる。
ムスッとした表情で、まだ赤い顔のまま、目の前の彼女を睨みつけた。