EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】
「小鳥、今は他の男の話しないでよ」
ルカとのデート中、他の男を褒めるのはアウトだ。
気がついた小鳥は、しゅんとして謝った。
「ご、ごめんね。でも、ホントに美味しくて……」
「なら、一口ちょうだい」
あーん、と。
テーブルに頬杖をついたルカが、口を開けて小鳥を待つ。
唐突なルカの行動にドキッとして、どうしようか迷った小鳥だったが、それも一瞬のこと。
もちもちした蒸しパンを千切って、ルカの口へと持っていく。
「ん……」
彼の唇が指に触れた。
蒸しパンを離した瞬間、舌で指を舐められる。
小鳥はビクッと反応してサッと手を引っ込めようとしたが、ルカにすかさずガシッと掴まれた。
そのまま、指先にチュッとキスをされる。
「ル、ルカく……!?」
不意打ちのキスに小鳥が動揺していると、小鳥の指から唇を離してモグモグと蒸しパンを食べたルカが、一言。
「ん……甘い」
真っ直ぐ小鳥を見つめて、ルカは綺麗に微笑む。
「小鳥みたい」
ルカのことだから、打算的な発言ではないだろう。
彼の素直な感想に、小鳥はどうしようもなく照れてしまった。