EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】
今すぐ返事が欲しいわけじゃない。
しかし、今この場で「もちろん」と頷いて欲しい。
そんな感情がルカの中でせめぎ合っていると。
「……私、夢があるの」
無言だった小鳥が、ゆっくりと語り出す。
「将来、もし好きな人と結婚したら……いつも明るくて、家族の誰も寂しい思いをしないような、一緒にいるだけで幸せだなって思える家庭を作りたい」
小鳥は顔を上げて、ルカを真っ直ぐ見つめた。
「ルカくん、手伝ってくれますか……?」
まさか、逆に尋ねられるとは。
ルカは驚きつつも、破顔した。
「もちろん。小鳥が俺を選んでくれるなら、喜んで」
ルカの答えを聞いて、小鳥も笑顔になる。
「約束だよ」
「うん、約束」
お互い、笑顔のままコツンと額を合わせた。
「小鳥、百八本の薔薇は、結婚してくださいって意味なんだ。いつか絶対、君に贈るから。その時は……」
――また今日みたいに、受け取って
囁かれた願い。
いつか来る、その日を夢見ながら。