EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】
3
†††
約束の日曜日。
ルカは大きめのショルダーバッグを肩から提げて小鳥の部屋までやって来た。
「小鳥〜、そろそろ行くけど、平気?」
「はいっ、すみません、お待たせしました」
「いや全然待ってない!大丈夫!」
たわいも無い会話をしつつ廊下を歩く。
エレベーターに乗り、二人は地下世界の夜空の下に出た。
「そんな遠くないからさ、歩きなんだけどいい?」
「はい、いいですよ」
住宅街の細い歩道を道なりに進む。
そして何度か左に曲がり、右に曲がり、小鳥が道を覚えられなくなってきた頃。
「ここだよ」
左手側に目的地のガラクタ置き場が見えた。
そこは広い空地で、工事現場でよく見られるようなガードフェンスに囲まれている。
その内側には壊れた家具や鉄くずの山がいくつも並んでいた。
本当にゴミしかない場所だ。
「どこから入るんですか?」
「こっちこっち」
ガードフェンスに囲まれて入り口が見当たらない。
と思いきや、ルカは小鳥を立ち並ぶガードフェンスの端っこへ連れてきた。