EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】
「俺のことは、本当に大丈夫です。貴女に危害を加えるつもりは全くありません」
小鳥を真っ直ぐ見つめる彼の目に敵意はない。
信じたい、と小鳥は思った。
レオは続ける。
「でも、帰り道とかは気をつけて下さい。最近、物騒なんです。闇人の子供が誘拐される事件もそうですが、人間が関わってる可能性の高い事件が目立ちます。貴女も、巻き込まれないように気をつけて」
「わかりました。気をつけますね」
気を引き締めるべくキリッとした表情をする小鳥。
そんな彼女を観察するようにジッと見ていたレオは、ポツリと呟いた。
「……貴女は、とても……」
何か言いかけて、キュッと口をつぐむ。
「……なんでもありません」
もう会話をするつもりがないのか、レオは作業台の方に体を向けた。
(さっきも何か言おうとして、やめちゃったよね……)
途中でやめられるとモヤモヤする。
けれど小鳥は無理に聞き出そうとはしなかった。