EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】
手作りを貰うのだから自分も手作りを、と考えての思いつきだったが。
(あ……でも、ルカくん達は基本的に食べないんだった……)
恐らく血が最高のご馳走だろう。
だからといって「私を吸って」と自分を差し出す勇気はない。
(難しいなぁ……。そもそも、私に得意なことがないから……)
家事はできるが得意かと訊かれればノーだ。
必要だからやっているに過ぎない。
お菓子作りも結局はその延長だ。
(ルカくん、楽しそうに分解してたなぁ……)
秘密基地にて、レオが来るまで眺めていたルカの作業を思い出す。
(目がキラキラしてて、可愛かった)
作業そのものよりもルカの顔を観察していた。
金色の前髪の隙間から覗く青い瞳が、いつもより輝いていて。
「真剣な、顔は……カッコ良かった」
本人の前では恥ずかしくて言えないが、思い出して独り言。
今更頬が熱くなってきて、小鳥はメジロの前でテーブルに突っ伏した。