EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】
「おーい、いるかー?」
その時、第三者の声がしたかと思うと、廊下に繋がる扉からカロンが現れた。
少しムスッとしている。
「あ、カロン」
「遅いんだけど。小動物は全然戻って来ないし、ルカは約束すっぽかすし、二人して俺をイジメようって魂胆か」
「悪い!今行く」
慌てるルカを余所にカロンは室内へ入ってくると、小鳥の隣にやって来た。
「何してたんだ?エロ本でも見つけた?」
「はぁ!?俺の部屋にそんなもんあるわけないだろ!?」
「いやいや、ない方が怪しいぜ。エロ本の一冊や二冊や十冊や百冊」
「増えてる!めっちゃ増えてる!」
「こういう本棚に、表紙だけ隠して普通に置いてあったり」
カロンが机の横にある本棚からテキトーにスッと一冊抜き取る。
「あっ!それは!」
「ん?当たり?」
「ちっげーよ!でもある意味見られたら恥ずい!」
「じゃあ見ちゃお」
ニヤニヤしつつ手に取った本を開いてから、カロンは一瞬でムスッとした顔に戻った。