EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】
6
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地上に行くと決めた日曜日。
ルカと小鳥はいつもと時間をずらして眠り、他の兄弟達が柩に向かい始める朝の九時頃起床した。
再びジェラルドから薬をもらったルカは、せっかく生えてきた牙をまたポロリと落とす。
二人の準備ができたところで、小鳥とルカは地上へ直通しているエレベーターに乗り込んだ。
「あぁ、もうっ、すっげぇドキドキする。昼間に地上って久しぶり。小鳥と初めて会った、あの日以来かな」
興奮気味に喋るルカ。
余程嬉しいのか、頬がほんのりピンク色だ。
「あの時はガキだったから考え無しで出てきちゃったんだけど、今思うとかなり危なかったんだな俺。雪降ってて天気悪くて良かった」
天気と聞いて、小鳥は今更ハッとした。
「あっ、傘とか、持ってきてません!天気のこと気にしてなかったから……もし雨だったら……!」
地下世界にいると雨の心配がないので失念していた。
焦る小鳥に、ルカは冷静に答える。
「俺、一つなら折りたたみ傘持ってる。父さんが念のため持ってけって。渡された」
話しながら肩のショルダーバッグを揺らすルカ。
それを見て小鳥はホッとした。