EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【カロン編】
言うが早いか歩き出したフェオドールだったが、はたと立ち止まり、振り向いた。
「オーレリアン」
「何?兄様」
「可愛かったぞ」
「っ!?にっ、兄様!?」
ヒラヒラと手を振り行ってしまった兄の背中を愕然と見つめる。
「ハハッ!可愛いだって!良かったな、オーレリアン」
「黙れよルカ!!どこがいいわけ!?最悪なんだけど!」
普段通りのノリで会話する金髪兄弟。
その隣で急にカロンが腰を上げようとした。
「カロンさん!?立ち上がらないで下さい!!」
半裸なので立ち上がると視覚的にセクハラだ。
「えー…便所行きたい」
「フェオさんが戻るまで我慢です!お願いします!」
「マジかよ。さみぃ…」
パンダのぬいぐるみを抱きしめて頑張って暖を取るカロン。
しかし何を思ったのか小鳥の顔をジッと覗き込んできた。
「なあ、小動物。こっちおいで?」
「へ…?」
「フェオが戻るまで、俺をあっためてほしいなぁーとか思ったり」
「むむむ無理です!ぬいぐるみでどうにかして下さい!」
「えー…もっと熱がほしい」
「カロン、このケダモノ!小鳥にセクハラすんな!」
「メスブタ!お前さっき嘘ついただろ!正直に吐け!」
「ふえ!?そんな…!」
すっかりいつものペースで迫ってくるオーレリアン。
(フェオさん早く戻って来て下さーい…!!)
最後の最後まで色々と大変な創世祭だった。