EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【カロン編】
「ん……うっ…」
暗い柩の中、至近距離でカロンの声が聞こえる。
(やっぱり、またうなされてる…)
ウトウトしていた小鳥だったが、気になって目を開けた。
「んん……くっ…うぅ!」
「カロンさん…」
隣で苦しげな息を吐くカロンの手をそっと握ってやる。
「大丈夫です…カロンさん……大丈夫…」
今日で何度目だろうか。
こうして手を握り、優しく言葉をかけたのは。
こうすると、しばらくしてカロンは安らかな寝息を立てる。
(いったい、どんな夢を見ているんだろう…?)
闇に慣れてきた目でボンヤリとカロンを見つめながら、小鳥は聞けない質問を飲み込んだ。