☆ゲット・ビッガー☆
「こ、こ、こ、恋?!
そんなの、ありえない!!」
「じゃあ、あなたの今の状態を何と説明いたしますの?」
私の事を、ひどく鋭い疑いの目で見つめる由夏。
「もうっ、由夏ったらそのキャラやめてよ~!
真剣に悩んでるんだよっ!!」
「アハハッ! ごめん、ごめん。
日葵の反応が面白くってつい...。
でもあたし、本当に恋なんじゃないかな~って思ってるよ♪」
「そ、そうかな~??」
そんな話をしているうちに、いつもの分かれ道についてしまった。
「じゃあ、あたしこっちだから。
小田桐君の事、じっくり考えてみて!
バイバイ!!」
「あぁ、うん...
じゃあ、また明日。
ありがと、由夏。バイバイ!」
そういって私たちは、手を振った。
由夏と別れた後も、由夏の言葉が頭の中から離れなかった。
(「でもあたし、本当に恋なんじゃないかな~って思ってるよ♪」)
私は、徐々にオレンジに染まってゆく空を見上げた。
(本当に、「恋」、なのかな...)
そんなことを考えながら、家までの道を一人、とぼとぼと歩いていった。