☆ゲット・ビッガー☆



夕食がテーブルに並ぶと、椅子に座って待っていたレオ君が目を輝かせた。




「うわぁ~、から揚げだー!!」




レオ君は喜びのあまり、から揚げに拍手を送っている。




(ふふっ、カワイイな~。)




そんなレオ君を見守りながら、私は最後のおかずの肉じゃがをテーブルに運んだ。

すると、さっきまでキラキラと輝いていたレオ君の目が、急に曇る。




「どうしたの、レオ君。

肉じゃが、嫌い?」




首を横に振るレオ君。




「じゃあ、何が嫌いなの?」




するとレオ君は、肉じゃがの中のにんじんを指さした。




「ぼく、肉じゃがは好きだけど、ニンジンが嫌いなんだ。」




少し困った顔をしながら、ほっぺを膨らませるレオ君。




「なんで嫌いなの?」



「だって、なんか変な味なんだもん。」



「そっか...」



(でも、好き嫌いはよくないよね...

あっ、それなら!)




ふと思いついた私は、台所に向かった。




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